第一章

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制服についた血を気にする事もなく、学生は普通に帰宅した。 彼は建物の裏側にある階段をのぼり商店街の並びにある『金子動物病院』の二階へと上がる。 そして扉を開け、玄関で靴を脱いだところで家にいた男性が帰宅に気付き中から出てきた。 シルバーのフレームで縁取られた眼鏡をかけ、診察が終わったばかりなのかまだ白衣を着ていた。 学ランの所々についた染みを見てすかさず彼にたずねる。 「おかえり……ってまた喧嘩したのかい?裕哉君」 「大輔さんには関係ねぇよ」 裕哉は大輔の横を通ってそのまま部屋の中へと入っていった。
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