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私の心を読み取ったかのように、雨汐は回転するのをやめました。
もう景色がぐちゃぐちゃにみえます、私はちゃんと地面にたっているのでしょうか。
ふらふらとしていると、雨汐に激突してしまいました。
それをやさしく受け止め、私の背中をなでなでしてくれます。
「よしよし、僕の大切なちびハル……」
ちなみに雨汐は男の子です。
女の子のような可愛らしい顔立ち、活発そうな短い水色の髪、とにかく明るい性格。
女の子の服を着せても、だれも雨汐が男の子だとは気付かないでしょう。
それぐらいに可愛らしい顔をしています。
大切な、とは幼馴染みという意味だと雨汐は言っていました。
背中を擦ってくれるのは嬉しいのですが、いくら見た目が女の子な雨汐だからといっても、異性なのはかわりありません。
毎回遠慮しているのですが、雨汐はちびハルと呼ぶのと同様に、やめてくれないのです。
だから私の友達は、私と雨汐は付き合っているのだと勘違いをしてしまっています。
好きか嫌いかと言われたら好きですが、男の子としたはどうなんでしょう。
まだその気持ちは、私にはわからないのでした。
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