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さて、いきなり且つ、ありきたりな自己紹介から始めようか。
オレの名前は浦野 龍輝(ウラノ リュウキ)
先月から高等部3年になったばかりだ。
今は、雨が降ってるいつもの通学路を歩いてる。
「リュウ兄、遅いです。先に行きますよ?」
そんで、今オレに声をかけてきたのが、妹の浦野 鈴(ウラノ リン)
困ったことに、兄の目から見てもとてもルックスのよい妹なのだ。
「急がなくても間に合う時間だろうに…」
「そうやっていつもギリギリになってしまうのがオチじゃないですか」
「…否定は出来んな」
大体はこの2人で登校している。
そしてたまに…
「おや、浦野兄妹じゃないですか」
「鈴ちゃ~ん、おはよ~!……ついでにリュウも」
この2人が合流する。
丁寧口調の方が九条 彰(クジョウ アキラ)
明らかにうちの鈴にデレデレしてるのが西尾 拓郎(ニシオ タクロウ)
2人はバス通なのでさっきも言った通り、たまに合流するのだ。
「おはようございます、九条先輩、西尾先輩」
「おはようございます。鈴さん」
「相変わらず、オレはオマケ扱いなんだな」
「当たり前だ!!」
まぁ、察しの通り、拓郎は可愛い女の子に目がない。
彰の方は常に誰に対しても優しく、おまけに頭がいいものだから女子の人気が高い。
「いつも思うんだけど、なんでお前らが仲が良いのか、いまいち理解できないんだよね」
「まぁ、そこは結構深い話になると思うので、割愛ってことですかね」
「そうだな。それを言ったらお前みたいなやつが、鈴ちゃんと同じ屋根の下で過ごしてることの方が理解できない!」
「兄妹だからな(ですから)」
さすが兄妹、見事にハモったな。
「くそぅ!なんで俺様にこんなおいしい出来事がないんだよ!……あぁ、神よ、なぜなんだ」
両膝を立てて神に祈るポーズをしている拓郎。
「アホは放って置いてさっさと行こうぜ」
「時間もありませんからね」
「大丈夫でしょうか、西尾先輩」
「大丈夫も何も、行かないとオレらが遅刻しちまうって」
アホを置いてくことにしたオレ逹。
鈴だけがチラチラと心配そうに振り返っている。
さすが、我が妹ながらアホの心配まで出来るのか、とても優秀な妹を持ったもんだ。
そのまま学校に向かったオレ逹だった。
余談だが、学校の校門まで来たころに後ろから猛スピードで走ってきたアホがいたそうな。
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