人助け~K.K 本当に俺は脇役なのか?~

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  少女と相対している魔物は、まさしく龍。トカゲだとか、コモドドラゴンだとか、そういうのとは一つも二つも威厳がある。 「あちゃー、あの子、死にましたねこれは」 アネットはあまりにも素っ気ない口調で言った。 死ぬ。目の前の少女が? 「・・・そんなんダメだろ」 俺はその子に向かって走った。もちろん全速力で。 龍はまだこちらに気付いてない。チャンスだ。 「おおぉぉぉ!!!」 龍の口に光が溜まっている。あれはきっとブレスか--- 少女を咄嗟に抱えて飛び退く。文字通り背中からスライディングした。言わずしてとても痛い。 振り向くと、少女のいた場所には、拡散ではなく、レーザーのような熱波が浴びせられていて、浴びた地面はマグマのようにボコボコと音を立てていた。 「あぶねーっすよ紀さん。幾ら足があっても光にはなれないんですから無茶しないでくだせぇ」 アネットが呆れたといった感じで俺のもとに浮遊してきた。 「いや、目の前でスプラッタ劇場されても困りますから、ここはヨクヤッタ、カナメヨとでも言った方がいいんですかね?」 付け髭を蓄えながらふぉっふぉっ、と笑い出した神(爆笑)に、溜息を吐いた。 「突っ込みどころが多すぎてついていけない」 「人間てのはつくづく不便ですねぇ」 【全くだ】 アネットをジト目で見据えながら話していると、何処からか凛々しい声が。
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