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目が覚めるとそこは、知らない空。まぁそりゃそうなんだが。
「む、起きたか」
金髪の赤いドレスを着た・・・うん、fateextraのセイバーさんや!赤さんがそこにいた。
「?・・・ああ、このドレスか?アネットに召して貰ったものでな。私は気に入ったぞ」
「・・・出来れば一人称は我と言ってほしいのですが」
王は我がいいよねやっぱ。
「・・・ふむ、考えておこう。では紀よ。突然だが私と契約してみないか?」
「・・・マジですか王よ」
突然過ぎて驚愕を隠せない俺だった。反応するのに十数秒掛かったくらいに。
「紀は我と契約するのが不服と申すのか?」
ジト目で見られるとというか、不機嫌になられると反応に困る。ってかそんなわきゃ無いでしょう。
「契約?程度ならば喜んで」
いいぞ、と龍人は言った。
「先ほどそこのアネットに聞いたが紀は異世界の人間らしいな。しかも平凡な17歳と聞く。そのような者が我を前にして果敢に少女を助けたこと、ヒトにしてみれば称賛に値すると我は考えた訳だ。うむ、我も紀のことを知れて一石二鳥であるぞ」
さいですか。それは光栄で。
「称賛は要らない。俺はしたかったことをしただけだ。いきなり人の焼死体を見たくなかったんだよ」
「まぁそう照れるな。ほら、手を取れ」
右手を広げて柔和な顔をしてこちらを見ている赤セイバーさん。
その手を取ると、俺の手に焼けるような痛みが走った。
「痛ッ!?」
「・・・完了じゃ。手の甲から肘までに我の紋章を刻み込んだのでな。今から死ぬまで我と紀は繋がっておる」
だそうだ。痛み自体も一瞬の内に止み、袖を捲ると、複雑な紋様が刻まれていた。
「うむ、完璧に再現出来ておる。さすがは我の選んだ人間じゃな」
「・・・?再現されないこともあるのか?」
そう聞くと、うむ、といって赤セイバーさんは続けた。
「術者によっては再現できないこともあってな。前の術者は手先の爪にしか紋様を描けなかったのじゃ」
そんな事例もあるのか・・・
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