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「俺は運が良かったみたいだな」
刺青が入った手を閉め、開く。
どうやら温かい以外には何もないらしい。
「紀は紋様が入るストックがあと十以上残っているようじゃ。其れは類い稀に見る神童のそれじゃよ」
あと十以上もあるのか・・・
「とりあえず各地に散らばっている龍を冠する我『紅龍』とその知り合いを紹介しても構わないだろうか、紀よ?」
さっき言ってた黒龍、とかいう物騒そうなやつらか?
「・・・会えたらな」
会うつもりは全くないが。
「本当か紀よ!?全員揃うのは何百年ぶりじゃろうのう・・・」
遠い空を見つめている彼女は、とても嬉しそうだった。
友人、ね・・・カズと凛は無事にうまくやってるか心配だぜよ。・・・たぶん大丈夫だろうけどさ。主人公補正あるし。
「セイバーさーん!起きましたよー!」
アネットの声が遠くでしたので、俺と、セイバー?はそちらに向かった。
沈黙。何に対しての沈黙かと言えば、彼女の顔が知っている二次元キャラに似ていることへの驚き。
「・・・」
「・・・」
「のぅ」
「見てください紀さん!シャルですよ!生シャルロット!」
ふむ、確かにデュノアの方だが・・・
「何度も申しましたように、私はシャルロットではありません・・・あと、そちらの方」
俺の方を向いてきたシャルロットさん。
「先ほどは、どうもありがとうございました。命拾いしました」
正座で頭を下げるシャルロットさん。
「いや、別に・・・貴女の名前は?アネットがいつまでも勘違いしそうなので」
俺も勘違いしそうだしな。
「・・・アリアス=リラ=クローディス」
「うん、いい名前ですね」
単純な感想を述べると、アリアスさんは俯いた。
「う、うるしゃいですね・・・」
「今噛んだのぅ」
「かみまみたかみまみた(笑)」
「単純な感想を述べたのにうるさいって・・・」
ちょっと凹んだ。
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