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「えと、すみませんでした・・・?」
「・・・何がだ」
どこに語尾を上げて謝るやつがいるんだよおい。
「あの・・・命の危険に晒してしまって。本来なら帝の方が助ける側なのに・・・不甲斐n「うるさい黙れ」・・・」ウルウル
「・・・他に何か言うことがあるんじゃないか?」
それとも、このせかいには感謝の言葉は存在しないのか。
「うぅ、っく・・・」
「泣けば許されると思うのはゆとりの馬鹿だけだと思うんだよな、俺」
睨みながら涼しい顔でアリアスを見据えると、遂に泣き始めた。少し辛いものがあるが、俺をつくらないための措置だ。よって・・・
「紀さん、いくらなんでもそれはやり過ぎです」
アネットが厳しい顔で俺を睨む。殺気というのも初めて食らったが、俺の信念はそれくらいじゃ揺るがない。
「おい、神よ。前の世界での俺を知ってて言っているのか、それは?」
「・・・知っていようと、知らずともいいことです」
そうか。結局は理解できないと。
「神は全知ではないのか、困ったものだな」
「・・・誰に対して口を利いているか、わかっているのか?」
「人のこと知ったふりしてんじゃねぇぞ駄神が」
ズドォン!
俺は盛大にアネットに吹き飛ばされ、樹に叩きつけられる。
「かはっ・・・」
「それほど死に急ぐか、人間」
「困ったらすぐに暴力とか、力のあるやつの特権だよな」
ズガガッ!!
アネットの琴線に触れたのか、樹に俺がめり込むほどの力で首を押し付けられた。事実動けないし、アネットに勝てるとも思えない。
「ぐぁっ・・・!!」
首を押し付けられているために声があまり出ない。このままだと窒息死しちまうぜ・・・
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