人助け~K.K 本当に俺は脇役なのか?~

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  「あの!」 先ほどとは違う目で、 「紀さん、私に力を貸してください!」 アリアスはそう言った。 俺は・・・ 「だが断る」 と言い返した。「どうして!?」とアリアスは言っているので、もう一度言う。 「いや、俺、君より弱いし」 「・・・」 「・・・」 「・・・あ」 数分前に言ったことを思い出したようだ。 「いや、でも冗談かと思って」 「落ち着け。俺は君が思っているほど強い人間ではないぞ」 この四人の中で一番弱いのが俺だというのは一番弱い俺がわかっている。 「・・・ふむ、紀よ。そうでもないようじゃ」 アネットを横目に見ながら淡々と応えるセイバー。 「どういうことだってばよ?」 「・・・まぁ、はい。私が一番弱くなっちゃいまして」 というのも、俺の魔法のせいなんだって。 堕落魔法。 道と呼ばれる世界には、 天上道 人間道 修羅道 畜生道 餓鬼道 地獄道 の六つの世界観がある。 アネットは、神、つまり天上道の世界観にいたが、Notineducation,employmentortraining、通称NEETの余波を受けたらしく、神種の扱うことのできない魔法が多数存在する人間道に文字通り堕ちたらしい。ついでに悪かったと謝ったらこちらも予測できなかったのでお互い様、と言われた。 一方逆に俺は神級のイケメンになった、と。そのことについて一つ疑問が。 「白髪って神の基本なの?」 神宣、神警の神は確かに白髪だけど、それってちょっと嫌だなぁ・・・ 「えのっちみたいな人ですから、大丈夫ですし、問題ありません」 そうか。 ・・・ん?
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