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「うん、君ちょっとマスターのところ行きましょうか?」
「なして?」
「測定器が壊れるんじゃなくて溶けたんですよ。帝クラスの魔力である可能性がありますから」
つまりはシャルロットクラス、と?俺あんな人外ちゃいますわ。たぶんチートって呼ばれるんだろうけども。
「はぁ・・・了解しました」
結局考えていてもあれなので、受付嬢についていくことにした。
「失礼します」
「うわ何いきなり!?」
いたのはオッサン。ソファから転げ落ちた。
「サヤ、この人誰?」
イテテ、と頭を擦りながら立ち上がるオッサン。というより受付嬢の名前サヤっていうんだな、初耳。
「霧谷紀ってものです、オギルドマスターとやら」
「今オッサンと言いそうになったろ、少年」
「聞き違いですよオッサン。マスターにはキリタニ君を見定めてもらおうと思いまして」
「今まさにサヤが上司に向かって暴言を吐いた件」
だが、オッサ・・・ギルドマスターの言葉は華麗にスルーされ、オッサン・・・ギルドマスオッサンに見定められることになった。
「・・・ほぅ?戦闘経け「皆無です」いやでもここまで来たということはそれなりに魔物と「会いませんでした」え、でも「会 い ま せ ん で し た」はい」
「・・・はぁ」
しつこいオッサンに思わずため息をついてしまう。
「ごめんなさいねキリタニ君。このオッサンはしつこいから」
ガチな困り顔で話すサヤさんに、落ち込んでいるオッサン。男がやってもどうとも思わん。
「冗談はここまでにして。どうです、彼?」
紫紺色の瞳を開いたサヤさん。切れ長な眼が綺麗な美人である。
「うーん、まぁ戦ってみようか。話はそっから。帝になるか、ギルド員か」
「理由なく戦うのは嫌だなぁ・・・」
めんどくさいだけだが。
「ま、そういうなや。不合格でもそれなりにしてやっからさ」
ふむ・・・ならば仕方ないな。
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