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「変身、できるか?」
「それは今のと何の関係があるのだ?もちろんできるが」
「猫にでもなってろ。いや、なってくれ。ならないと振り落とす」
でろでろした感覚は夏場には冷たくていいが、別に今は困ってないし、形をとらずに進んでいるために一歩歩くごとにスライムが床に垂れて、それが俺を追ってくる故に怖いんだよ。
「振り落とされるのは嫌だな。いいだろう。変身であるぞ」
両手に乗るほどの黒猫ができた。ぷにぷにしてるが、垂れてない。オッケーだ。
黒龍を肩口に乗せる。猫状態の時は喋れないようで、はふっ、と言ってしがみついた。
「まさか、フッ、あの黒龍が、ククッ、このような姿とは・・・ククク」
腹を抑えて笑うのを必死に堪えているセイバーについては無視の方向で。
「ちょwセイバーさんキャラ崩壊してますよwwwwww」
「っと、これは済まないな」
こほん、と一つ咳払いをしているセイバー。
「そういえばセイバーの名前ってあるの?この前は種しか聞いてなかったけど」
「うむ・・・なかったはずじゃ。私にも、黒龍にも」
片眉を釣り上げ、腕を胸の下で組むセイバー。
「じゃあアネットがセイバーの名付け親か。黒龍からは俺がつけようかな・・・?」
「ニャー」
「日本語でおk。・・・ミッ○ルテルトで。長いからテルトでいいか」
「にゃあ」
さて、肯定かどうかもわからないが、とりあえずアルヴァンのギルドまで向かい、サヤさんにギルドカードを発行してもらった。『あのオッサン・・・忘れやがって。殺す』とか意気込んでいたのは俺だけの秘密だ。
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