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向原がアビエルの隣に座る。アビエルが口を開いた。
「なに、可愛いげのある女の子じゃないの」
「あり、がとう、アビエル、くん」
あ、ついでに言っとくとアビエルはイケメンです。青いツナギ着てるけども。
「よし、続けるぞ。こいつをやってもらおうか。じゃあ梁花、前出てこい」
「了解」
緑髪のポニテが前に出る。
「詠唱もしてやっから、よく聞いておけよ?・・・塵爆ぜよ、万物破壊せん廻る光」
「閉じ込めろ、《結界儀式・一分咲》」
A◯フィールドみたいなのが幾重にも梁花を包む。まるで蕾のように。が、そこに一筋の光が衝突する。
「悪いな梁花。防御してもらうためではあったんだが・・・
満開でなければ貫くぞ、その光」
ギャリギャリギャリ、と軋むような音が魔法と結界の間から響いてくる。
「くっ、破られる・・・ならば!開花せよ!《結界儀式・満開》!!」
結界が弾き飛び、傘是の放ったジャイロレーザーを吹き飛ばした。
「・・・といった具合だ。梁花よりも固い結界を張れるのはあんましいないから練習しろ。別に光を持っていなくとも造ることが可能な俺的中級術式だ。以上。後は自主練だ」
傘是はそう言って練習場の教室の隅で寝始めた。
「むむむ、人間の魔法技術がここまでとは・・・」
アネットが唸っている。そこに、属性毎の魔法陣を描き終えた吾妻さんがやってくる。
「jud.ですが、冥様は人間ではなく、化物であると自分から豪語しております」
・・・化物としての道を選んだのか。転生者となれば一度は死んでるわけだし。
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