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ふと疑問に思ったのでアネットに聞いてみる。
「なぁアネット、俺ってまだ人間?」
「いえ?神種と言っても過言ではありませんよ?だって私のあれもろにくらったわけですし。紀の魔法でいくらか相殺されて単独スキルが高い上に現界してますけど」
俺、驚愕。
「あー、他人事にしか聞こえねぇ。“俺”は死んだんだろうけど『俺』は死んでねぇし」
「まぁ私も今人間である状況が認識できてませんから大丈夫ですよ」
「・・・・・・今は保留ってことで」
俺が決断を下した?ところで授業終了の鐘が鳴った。それまで寝ていた傘是を吾妻さんが起こしている。
「アネット、アリアス、移動しようか。次どこ?」
そんな風なやり取りをずっと繰り返しているうちに午前の授業が終わったのだった。
「あの、きりたに、くん」
「どしたんすか、向原さん」
濃紺髪の向原さんが俺に話し掛けてくる。何のようだろうか?
「私、ま、ほう、陣よく、見、えない、から」
ほぅ?それはつまり、
「手伝って欲しいということですか、姫?」
「ひ、め・・・?」
え、ベルさん顔赤くなってんですけど。
「あのー、向原さん?」
「な、に?」
俯きながら話す向原さん。なしたなした?
「紀さんはそういう娘が好きなんですか?」
アリアスの眼がやばい件。ヤンデレとかそういうやつだよこれ!
「アリアス、待つんだ、落ち着こう」
「私は冷静なう」
ダメだったー!?なうってダメだよ!絶対冷静じゃないよこの子!?
「シャルロットさん、紀さんはこういう人なんですから、まぁ温かい殺意を向けて見ていましょう」
「温かい殺意ってなんだアネット!?」
「どうした霧谷?さっさと飯食わねぇと昼休み終わるぞ?午後は演習だから飯食わないと俺以外死ぬぞ」
飯を食べ終えたと思われる傘是がこちらに来た。ミリアを背に乗せ、ライナの手を引いて。
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