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人助け~K.K 本当に俺は脇役なのか?~
「あー、涼しいですね紀さん」
「・・・魔法とか便利すぎだろ、卑怯だぞ」
現在、こちらの世界も夏らしく、燦々と降り注ぐ熱の波は、じわじわと俺の体力を奪っていく。
アネットが使っているのは、えっと・・・フリーズだったか?詠唱とかは要らないのだろうか?
「紀さんにも魔力は砂漠の砂粒の数ほどありますから、覚えればできますよ~」
そーなのかー。ん?砂漠の砂粒?まぁいいか。
「・・・心を読まないでほしい」
「そうですか?善処します」
やっぱり神って常識が通じないのね。人間の常識が通用しないのは当たり前なんだけどさ。だがプライベートがないのは厳しいよね。
「何時になったら着くんだ・・・かれこれ一時間は歩いたはずだが」
「正確な時間がわからないのですか・・・人間は不便ですね。あ、林檎ありますよ」
林檎の樹に近寄って林檎をもぎ取るアネット。俺も食いたいが、先を急いでいるわけだ。
「あれ?要らないんですかー?」
「・・・今は先を急ぐべきだ」
林檎食べたい・・・が、しかし、一刻も早く街に着きたい。金はないけど。
「この先はあんまり食べ物ありませんよー?」
「それを先に言ってくれアネット!」
急いで引き返して林檎の樹に登り、林檎をもいで食べる。品種改良よりもうめぇ。
二、三個ほど食べて食い飽きた頃合いに、近くで人の悲鳴がした。
「きゃあああああ!!?」
「テンプレ!?行くぞアネット!」
そんなもん滅多に見れねぇからな!
「え、ちょ、待ってくださいよ紀さ~ん!」
林檎を急いで食べ尽くすアネットと俺だったが、少し広い場所に出て、俺は驚愕した。
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