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多くの人が、その建物の中に吸い込まれるように入っていく。
だけど…町はまだまだたくさんの人が行き来していた。
「お母さんと、どこではぐれちゃったのかな…どんな服を着ていたの?」
「んーと、白い服なの…ここで待っててねって言って…ずっと待ってるのに…お母さん来ない…」
「じゃあ、お姉ちゃんと一緒にここで待ってみようね」
今にも泣き出し草なその子の手を握って、私達は歩き回らずに、その場所にいた。
陽はすっかり落ちたのに、あちらこちら街の明かりや街頭でまるで昼間と遜色なかった
後ろのデパートのような建物では、たくさんの笑い声やざわめきがやむことなく続いている。
不安気に見上げるその子の肩を抱いて……
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