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「………リス、アーリス!仕事だぞ」
名前を呼ばれ、目を覚ました。いやな夢をみたためか、ベッドは寝汗で少し濡れていた。
目の前には、薄暗い部屋の中でよく見えないが、誰かが居るのがわかった。部屋に勝手に入って来る奴はあいつしかいないだろう。
「アーサー…?」
アーサーは部屋の明かりを付け、ニッと笑っていた。
「今回の仕事、俺とだってよ」
彼に手を引かれた。その感触や温もりを感じられない、偽物の右手。これを見ると、夢の事とは別の、あの日を思い出す。
「行こうぜ」
「…眠いから一人で行ってきてよ」
「おう。ってエぇぇぇ!!!!」
彼が奇声を発しているが、その声もだんだんぼやけて聞こえなくなってきた。
「………お休み」
…
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