∽プロローグ∽

4/5
前へ
/19ページ
次へ
   「………リス、アーリス!仕事だぞ」 名前を呼ばれ、目を覚ました。いやな夢をみたためか、ベッドは寝汗で少し濡れていた。 目の前には、薄暗い部屋の中でよく見えないが、誰かが居るのがわかった。部屋に勝手に入って来る奴はあいつしかいないだろう。 「アーサー…?」 アーサーは部屋の明かりを付け、ニッと笑っていた。 「今回の仕事、俺とだってよ」 彼に手を引かれた。その感触や温もりを感じられない、偽物の右手。これを見ると、夢の事とは別の、あの日を思い出す。 「行こうぜ」 「…眠いから一人で行ってきてよ」 「おう。ってエぇぇぇ!!!!」 彼が奇声を発しているが、その声もだんだんぼやけて聞こえなくなってきた。 「………お休み」 …
/19ページ

最初のコメントを投稿しよう!

5人が本棚に入れています
本棚に追加