愁と亮

証明

いゃあ。そっか。意外だなぁ。俺は透明人間だったのか。
違うよ。
え？
お前は透明人間じゃないよ。
ぇだって証明されたじゃん。
見えてるよ。
あっ違った。がっがりだ～。でもいるのはいるんだろ？
何が？
透明人間。
お前何言ってんの？いるわけねぇだろ。
何で決めつけんだよ。
見たことねぇもん!!
そりゃあ透明人間だもん。誰も見たことねぇよ。透明なんだもん。
なんだお前は見えない物は信じないのか？例えば、今俺の裏側は見えないけど、お前は存在を疑うか？

なんだって？
だから今お前が見ているのは俺の表側だろ？お前は見えないから裏側はないって言ってるんだよ？
言ってないよ。ってか、なんで言い切れるんだよ。
感じるんだよ。

あぁ？だったら証明してみろよ。
何を？
大体わかるだろ？話の流れで！だから見ることと感じること以外で存在を証明してみろよ。
証明する必要なんてないもん。
なんで？
いるからだよ。
いや…お前にとってはそうかも知れないけどおれは…ほら、まだ、だから。俺はっていうかお前以外全員まだだからなぁ。証明が必要だろ証明が！
お前はしょうめい人間かよ。
なんだよしょうめい人間て！
照明さんだよ。
また話が見えなくなってきたぞ？
よしじゃあこう聞こう。お前は透明か？不透明か？
俺は不透明だなぁ。
ってことは、不透明人間だな。
お！きたな？ただし、透明人間を肯定したうえでの不透明人間ではないからな。
じゃあ非不透明人間だな？
うんうん。ただし、巡り巡って透明人間という意味での非不透明人間ではないからな。
じゃ逆非不透明人間だな？
ん？ん？
違うのか？じゃあ逆非不透明人間以外ってことだな？
今どっちだぁ？
お！脱逆非不透明人間以外ってことだな。
お前の話が不透明になってきたよ。