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昔から近所にあるお菓子屋に向かう。
ここは幼い頃からよく訪れていた。
老夫婦が自営業で営んでいて、孫がバイトしている。
その孫が学校の後輩にあたるわけだが……
チリンチリーン
ドアを開けると来客を告げる鈴の音が小気味良く店内に響いた。
鳴「いらっしゃいませー、って先輩じゃないですか」
玲「おっす、暇そうだな」
鳴「うちなんてこんなもんですよ」
玲「いつものマカロンを包んでくれ」
鳴「またお見舞いですか?」
玲「あぁ、お前も大変だな、せっかくの夏休みなのに」
鳴「好きでやってるからいいんですよ、それにいい小遣い稼ぎになります」
玲「俺もバイトしようかなー」
鳴「ここでバイトしてもいいですよ?はい、いつものマカロン詰め合わせ、1500円になります」
玲「さんきゅ、考えとくよ。じゃ、またな」
チリンチリーン
鳴「ありがとうございましたー!」
店を出て再び傘を広げて歩きだす。
あの子は 小鳥遊 鳴 同じ学校の2年生で後輩にあたる。
幼馴染みというほどでもないが、お菓子屋によく行く為、それなりに仲は良い。
たまに売れ残りのお菓子をくれたりする。
でもその大半は鳴のドジにより産み出された失敗作だ。
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