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「では、今後の事とかは別室で。」
担当者は、その場から逃げるように、彼ら『ハム』をエスコート。
「その前に楽器片付けた~?」 草一郎の言葉に、
「とっく。早く行けよ。」
桔梗は冷たく言い放つ。
「?桔梗ちゃんは、女の子?」
マキダイの一言で、またもや場は氷点下に。
一瞬の沈黙後に、桔梗は冷たい眼差しでマキダイを睨む。
「女ってだけで態度変える奴は程度が知れる。音楽に女とか男とか関係ない。関係あるんなら、僕は帰らせて貰う。」
桔梗は帰ろうと、ヒロの横を通り過ぎようとする。
が、然(しか)し、ヒロに腕を掴(つか)まれる。
桔梗は、腕を掴んだヒロを睨み離すよう腕を動かす。
「すまない。マキダイには、言っておくから。・・・機嫌直してくれないか?」
桔梗の不機嫌な眼差しにも眼光(がんこう)鋭い睨みにも動じない。
「・・・桔梗、落ち着こ。皆さん、すみません。桔梗は差別とか嫌うので。今後、音楽やってく以上、男女差別でなく男女平等で宜しくお願いしますね。」
柔らかい微笑みで場を和らげる、空蝉。
「そういう事で~。んじゃ、桔梗~行くよん!」
草一郎は、睨み合うというより一方は冷たい眼差しなのだが見つめ合う二人を引き離すように間に入る。
「んでは、皆さん。また後で~。」
桔梗を連れ、草一郎は他の『ハム』メンバーと担当者と共に、立ち去る。
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