混沌

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その後も一也は八雲の留守を見計らって和也に強く当たり散らしていた。 だが和也は八雲を渡すとは決して口にはしなかった。 自分が窶れ、衰えて行くのはわかっていた。 一也に八雲を託せば八雲が幸せになれることもわかっている。 けれども言えなかった。 和也は八雲を心底愛していたからだ。 だから耐えた。一也からの陰湿な苛め、虐待にも。 八雲のためだけに。…
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