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「ふーん…」
冷たく言い放てば、私の顔を覗き込む長谷川。
「怒った?
これで機嫌直して」
そういうと、私の手をとり、薬指に何かを通した。
解放された手を見ると、この前、見たリングが薬指にはめられていた。
「…これって?」
長谷川の顔を見て尋ねれば、微笑みを浮かべて
「弥生には、ずっと俺の側にいて欲しい。結婚して下さい。」
「…それって、プロポーズ?」
「…以外に聞こえるの?」
「聞こえないけど…」
「で?返事は?」
ロマンチックのカケラもない受け答えに、苦笑する。
あ、私のせいか…。
「…こんな、私で良ければ…お願いします。」
「弥生がいいです」
今度は笑って長谷川が答えた。
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