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「気を使わなくていいのに…。あら、圭、もしかしてあそこのケーキ?」 箱を見て声が弾む。 「あ、圭さんに、お好きだと聞いたので…」 おずおずと告げれば 「ぷっ、圭さんだって…」 と圭のおかしそうな声。 呼び捨てで呼ぶ訳には行かないでしょう? 「…圭、あんた嫌われるわよ。 弥生ちゃん、こんなのほっといて、二人でたべましょ?」 「はい、是非。」 お母様に従って頷けば、圭の不服顔。 「ほら、心配する事無かっただろ?」 私の杞憂をバラす圭を睨む。 お母様の前で言わなくてもっ! 「弥生ねぇ、母さんに気に入ってもらえるかって、心配し過ぎて寝不足なんだよ」 更に暴露されて身が縮こまる。
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