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圭が言っていた通り、心配したような事は全くなく、ご両親ともに、優しく私を受け入れてくれた。 「ところで、弥生ちゃんの親御さんにはご挨拶したの?」 不意にお母様が聞いた。 「いや、まだ。 夏休みに会いに行くつもりなんだけど」 「えっ?」 初めて聞いた事に驚いて、声を上げてしまった。 「…圭、ちゃんと弥生ちゃんと相談してる? 挨拶もだけど、お式とか新婚旅行とか新居とか、いろいろあるのよ?」 「分かってるよ。 取り敢えず、俺のマンションに住むつもりだし、後は二人でちゃんと話すよ。」 淡々と話す圭の顔を黙って見つめる。 私は、母親はともかく、義父には絶対会いたくない。 もちろん、結婚式をするにしても来て欲しくはない。
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