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いつかきっと治ると言う、『病気』といったものとも違う。
まったく一人で歩くことすらできないママの状態は、明らかに介護を必要とした老人と同じものだった。
会いに行く度に、状態は、ひどくなっていった。
鬱は治ったと、そう判断し自分で鬱だと言うことを認めないママ。
いまICUにいるママの状態は、会いに行くのが怖いほどで…
今回の自殺未遂について義理の父はこう言った。
「これから先、あの人のことやから何度も同じことを繰り返すだろうから、本人も今回の事は内緒にしてほしいと言ってるから来ないように。」
妹は新幹線のチケットをとっていたが、それも断るよう言われた。
私は骨と皮になっていく母親に目を背けたくて仕方なかった。
プライドの高い母親。
それを崩しても、踏み込む事のできない私。
幾度となく押し寄せる不安。
それは白い天井を無音のまま、何本も管を通されたママの方が辛いとわかってるのに…。
私は妹みたいにママの人生は寂しくて仕方ないんだよって、だから歩み寄らなければいけないって、同じようにわかっていても動けなかった。
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