秦 龍斗

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「はぁ…はぁ… 前との差は詰まらないが 後ろとは結構開いたみたいだ。 よし、あとは最終区の 陸上部の奴に襷を渡すだけだ。」 ここで最後のスパートをかける。 あまりのしんどさに足が震えるが 無事に襷は渡せた。 「秦!!お疲れさん!!」 若干巻き毛の人がやって来た。 カツラ ダイチ この人は桂 大地。 同じ野球部からの助っ人で 俺の尊敬する先輩だ。 「桂さん…しんどいっすよ~ タイムはどうでした?」 「区間3位やぞ!! 俺よりタイム悪いけどな…」 最後に嫌味を入れてくるのが この先輩らしさと言えば そうなのかもしれない。 桂さんには入ったときから 可愛がってもらって 兄のいない俺にとって 実の兄のような存在だった。 「秦。お前陸上部入ったら?」 桂さんがそう言ってきた。 さすがだな。 確かに今俺は迷ってる。 きっと背中を押してくれてr 「いや、お前下手やし邪魔やし。」 笑顔で言いやがった!! マジかよ!! もうちょいオブラートに… でも俺の中ではもう決まっていた。 そしてこの決断が再び 俺の陸上人生を始める きっかけとなるのだった。 さて、駅伝の結果は… え、最下位!? 2位で渡したのに… しっかりしろよ陸上部!!
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