母さん。そりゃ無いぜ。

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俺と母さんは魔法陣から少し離れ、様子を窺う。 さっきまで青白い光を放っていた魔法陣は、今は血のように紅い光を放っている。 マジでやばくね? 「影斗、アンタちょっと見てきてよ」 え、マジで言ってんの母さん? 「ヤダよ。なんで俺が「行ったら小遣い十パーセントアップ」行ってくるぜ」 俺は小遣いアップのため死地へと自ら足を進める。 俺はゆっくりと魔法陣へと近づき、手を伸ばす。 ・・・・大丈夫だよな? 俺は徐々に魔法陣へと右手を近づける。 その時だった。 魔法陣から突然出てきた細い一本の腕が俺の腕を掴んだ。 ゑ? 「いやぁぁぁぁぁぁあぁあああぁあ!!手ぇぇえぇぇぇぇえええぇぇぇえ!?」 後ろで母さんが悲鳴をあげてる。まぁ当たり前か。 だがな母さん。俺が一番悲鳴をあげたいわ。 ズルズル・・・・ それよりこの手、俺を引きずり込もうとしてない? 「母さんヘルプ」 「イヤ!! イヤよ絶対!!」 母さんは断固拒否って感じで俺のヘルプを拒絶する。 あらやだ。この母親は息子の俺を見捨てるのかしら。 母さん、そりゃ無いぜ。 そんな事を考えている間にも、俺は徐々に魔法陣の中へ引きずり込まれていく。 右肩まで魔法陣に入ってしまった俺は流石に危機感を覚え母さんに再び助けを求める。 「母さん、マジでたすk」 しかし、俺は言葉を言い終わる前に魔法陣に引きずり込まれてしまった。 ―――――――――――――――― ―――――――――――――― ―――――――――――― ―――――――――― ―――――――― ―――――― ――――
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