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真ん丸い月が街を見降ろし、静まりかえる静寂の中、少年は走っていた。
ただひたすらにがむしゃらに、何かから逃げる様に・・・。
はぁ!はぁ!はぁ!
「くっ!」
時々、後ろを振り返りながら、夜の街を只管走る。
どのくらい走ったのか、何度も曲がった道の先には、少年には越えられなさそうな聳(そび)え立つ塀が現れた。
「くっそっっ!行き止まりかよ!!つか、なんなんだよ!?誰がついてくんだぁ!?」
勢いを付けて、元来た通を引き返そうと、後ろを振り向いた少年の振り向いた先には・・・。
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