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「奈桜、此処があなたの部屋です。……いらっしゃい」
着物を着た雪斗さんが俺に笑いかける
「………」
ハル達から引き離され、屋敷に着いた途端、俺も着物に着替えさせられた。
「……奈桜?」
いつまでも入り口に立つ俺に痺れを切らした雪斗さんが腕を掴んで少し強めに引いた。
「っ!」
ぽすっ!
「はぅっ!」
くすくすっ‥
「本当に可愛い子ですね、お前は…」
雪斗さんが手を伸ばし、指先を俺の髪に絡ませる
「父さん…っ」
「ちがうでしょう?名前で呼びなさいとあれほど言っているでしょう」
時々、雪斗さんが…
父さんが怖い
「…約束を守れない子はお仕置きですね」
雪斗さんの眼鏡の奥の目がスッと細くなる。
「部屋から出しません。
暫く一人で反省なさい」
途端、踵を反し…
この鳥籠のような広くて窮屈な部屋に俺だけ残して、外から鍵が掛けられた。
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