スパークリング・ハイスクール

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「由希菜」

むせていたのもようやく治まり、何度見ても変わることのない試験結果を再び眺めて長いため息をつくと、背後から聞き慣れた声が飛んできた。

振り向かなくても分かる、アイドルスマイルの持ち主。

「おーい由希菜、傘持ってる？」

…は？傘？

「俺、傘持って来るの忘れちゃってさ。傘に入れてもらえないかな、頼む！」

今にも土下座しそうな勢いの湊人をよそに窓を見ると、外は土砂降りの雨が窓をビシビシと音を立てて叩きつけていた。

今日は雨が降る予報だとテレビで見たから、一応傘は持って来ている。
湊人と家の方向は同じだし、断る理由は何も無かった。