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そのアナタの手を包む様に、自分の手を重ねてみる。
とても、冷たい…
アナタは、もう片方の手で私の手を離すとまた優しく微笑む。
今度は、目から涙がこぼれ落ちている。
『……』
『……』
二人の間に流れる沈黙が全てを語っているかの様だった。
そっと歩き出したアナタは、確実に一歩…また一歩っと私から離れていく。
『行かないで』って引き止めたいのに…
言葉が出て来ない。
ただ、見送る事しか出来ないまま…
私の最後と決めていた恋は終わった。
あまりに突然で、あまりにも静かに幕を閉じた…。
涙が出なかったのは、私が変わってしまったから?
アナタを愛していなかったから?
うぅん、違う…
アナタを愛しすぎていたから…
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