世界からの逃亡

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 俺は考えていた。 いつの頃からだろう?人間は既に完成した生き物であったはずなのに、さらに進化を遂げるようになったのは。 だからこそ、俺の生きにくい世界になった…そのことに関して腹立たしく思いながらも、とりあえず歩む足を止めず、苛々を地面にぶつけながらズンズン進んでいた。 途中ですれ違った、幸せそうな家族をみて、つい両親のことを考えた。  俺の両親は、俺が生まれたとき、それは凄い喜びようだったらしい。 最初に出来た子がお腹で死んでしまって、次に出来たのが俺だから。無事に生まれたことへの歓喜は口では言い表せない!と言っていた。 ―俺が生まれてきて残念だったな。最初の子が生まれて、俺が死ねば良かったんじゃないか? それからすくすく元気に育った
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