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ひとつ階段を飛ばしたら
息も出来ないくらい
何も見えないくらい
悲しくなった
0から1にはほど遠くて
掟破りの一歩は
私を何処かへ置いてきた
窓の外から風鈴の音
いつもいつも私を揺らす
その優しい声で
貴方の匂いまで連れてくる
消えてしまえばいいのに
ひとつ階段を飛ばしたこと
時々忘れてしまう
時々目を背けてしまう
苦しかった
0から1は見えなくて
私の決死の一歩は
貴方まで飛び越してしまった
少しだけ懐かしい音
いつもいつも貴方を見る
その空気の中に
いつか忘れる日まで
消えてしまえばいい、のに
飛ばした階段は
いつか誰かが踏んでくれる
私がその手を離したとき
私がその匂いを忘れたとき
消えてしまえばいい、と
思っているうちはまだ
貴方の籠の中
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