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さっきまでオレンジ色だった空は、すこし目を離しているうちに青紫、そして濃紺へと変わっていった。
「はぁ、、、」
清江は、ひとりため息をついた。
殺風景なワンルームマンション、開けた窓からはすこしこそばゆい春の風が舞い込み室内を新築のにおいで満たした。
愛媛県から関西の大学へと進学してきた清江。初めての1人暮らし、当然知り合いなどいるはずもなく、寂しさからか清江は違大学だが同じように1人暮らしを始めた親友の智美とLINEでメッセージのやり取りをしていた。
智美「清江~☆ きょおも朝起きたら知らない男のコと寝てたよお~☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆ もう3日連続☆」
清江「え?なにしてるの智美? もっと自分の体を大切にしなよ!!」
智美「だいjobだよぉ~☆~(ゝ。∂)ちゃんとゴムもしたしぃ、でも昨日寝た人イケメン早稲田生だったからゴムに穴あけといたんだ☆*:.。. o(≧▽≦)o .。.:*☆」
清江は返す言葉も無かった
いつもそうだ、気が付けば周りは自分より一歩進んでいる。自分の知らない世界を知っている。
愛だとか恋だとか、そんなものまだ自分には、、、そう思っている内に当たり前になっていたのである。
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