任務

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閑話休題。 重戦士(バトルマスター)とは、その名が示すとおり戦闘に特化したクラスの事で、彼らが請け負う任務の実に八割以上は討伐、戦闘系のものだ。 そして、フウは院内に留まらず、近隣の町から辺境の村にまでその名が知られている実力者。 そんな彼女の実績は……。 凶悪で知られる山賊の集団をわずか一晩で壊滅に追込んだり。 その残党が雇った召喚者(サモナー)が放ったドラゴンを一撃で倒して手懐けたり。 更に、怒り狂った魔物の群れに囲まれた子供を、かすり傷一つ負わせること無く救出、自身もほぼ無傷で生還するなど。 彼女について、大して詳しくもない俺の知っているだけでこれなのだ。俺の知らない分も合わせたら、いったいどうなってしまうのだろう。 ……しかし、少し前の上層部による戦闘時集団行動の義務付けにより、討伐クエストをソロで受ける事が出来なくなってしまった。  それは、例え最強のバトルマスターであるフウも例外ではない。 そして、院では原則全ての生徒はそういった様々なクエストを請け負い、自ら報酬のお金を得て生活しなければならない。 それが出来ず、生活が立ち行かなくなったものは問答無用で退学となる。 もともと複数で戦闘クエストを受ける者達はともかく、ほぼソロで任務にあたっていたフウにとってそれは枷以外の何でもない。 しかし、そこは最強のバトルマスター。 今までのクエストで稼いだお金は相当のものらしく、流石に直ぐに退学という事は無い。 だが、このまま何も出来なければ、ではいずれ院を去らなければならない日が来るのも自明の理。 その為、最低五人必要となるパーティーメンバーを、共に戦ってくれる仲間達を、彼女は探したのだ。
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