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「……サッカー」
立ち止まった浅尾は、うつむいたまま。
「なぁ、倉本。椎名先輩はやめたほうがいいと思うぜ？関わらないほうが…」
口に手をあてて、何かに悩んでいるようだ。
「？それってどういう…」
「あ。千晶だー」
私が口を開きかけた瞬間、話題の人の声がした。
椎名先輩が出てきたのは、渡り廊下を抜けて、ちょうど一番階段側に近い教室で、自分の教室の真下だったのかと驚く。
「あ、浅尾も。お前、朝練さぼるなよ。」
私に話しかける声とは少し違う、低い声で、椎名先輩が浅尾に言った。
「…すいません」
なんだ、この２人、知り合いだったのか、なのにどうして朝は話さなかったんだろう。
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