ハジメテノトモダチ

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「ふーん…そっか。ねぇ、今日さ、佐伯さんとこ、お休みでしょ?」 聞いてきた割には、そっけない返事をして、先輩は話を変えた。 今日は火曜日なので、佐伯さんのカフェは休み。よって、私たちバイトも休みだ。 肯定を表して頷くと、 「千晶はバイト休みの午後、何をしてるの?」 と、また質問される。 「…本読んだり、寝たり、買い出しにいったり?」 自分でもよくわからなくて、考え考え口に出すと、 「なんで疑問系なの。」 笑われた。 「俺、今日図書館行きたいんだけど、帰り行かない?」 これは、もしかして、放課後を友達と過ごそうという高校生的スタイル?のお誘いなのだろうか。 家に帰れば、誰も居ない。 「行きたいです」 寂しいことを自覚できた私は、人が恋しく、そして素直なのだ。 迷うことはない、はず。 なのに。 言ってしまった傍から、 ―椎名先輩はやめたほうがいい さっきの浅尾の言葉が、頭の隅から這い出してきて、正体不明の暗い気持ちが、心を支配してしまいそうだった。
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