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「勝手に、人物像だけ、できてくんだよ。俺は何も特別な人間じゃない。」
いつもと違う、吐き捨てるような言い方に戸惑ってしまう。
「ごめん。」
そんな私を見て、はっとしたような表情をすると、罰が悪そうに先輩が呟いた。
「俺、何も持ってないよ。何も持たずに、出てきたんだから。」
蒸らし時間を過ぎたのか、先輩がカップに紅茶を注ぐ。
カチャという音をたてて、目の前に湯気のたつカップとソーサーが置かれた。
「どうぞ」
そう言うと、先輩は向かいの椅子に座った。
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