封じられた想い

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寒い寒いと言っていただけなのに、あっという間に学校に着いてしまう。 門が近づくにつれ、生徒もちらほら見えると、自然と減速して、先輩との距離を保つ。 だって、こんなの、学校の誰かに見られたら、絶対に良いことない。 約束して、会うわけじゃなく、あくまでも偶然で、私たちはあそこで会うのだ。 だから、訊かれても答えようがない。 駐輪場につくと、それぞれの決められた場所に停める。 ここまできたら一緒に昇降口まで行くべきなんだろうけど、敢えて私はここで、 「じゃ、先輩また後で!」 と言って、走る。
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