風が吹いた

封じられた想い

知らない痛みに顔が曇るのを隠せなかった。

「あれ、くらもっちゃん、どうしたの？」

何でもない、何でもない。

必死で自分に言い聞かせる言葉を吉井にも。

「何でもないよ」

自分はちゃんと、笑えただろうか。

「くらもっちゃん…何か企んでる悪い顔になってるよ…」

失敗したらしい。

「でもくらもっちゃん位しかいないと思ったんだけどなー、じゃぁ同じ中学校だった子かな？」

うーん、とあれこれ考え出す吉井。