封じられた想い

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「千晶はやりたいことがあるんだ?」 両手を床について、足を前に投げ出すと、先輩はいいなぁと呟いた。 「先輩は、ないんですか?」 緊張した空気が緩んだ気がして、お茶を置くと、おにぎりのテープをピリピリと剥がす。 「やりたいことはあっても、できるかどうかは別、でしょ?」 私だって、その言葉には大いに同意する。 「俺は、そうしたもの作っても、どうせ、できないっていうのが確実だから、作らないし考えないんだ。」 だから、と続けて、私をちらっと見る。 「今だけは、自分のやりたいこと、やるんだ」
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