ほんとの自分

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「わり。」 見知らぬ男子生徒が拾いにきた。 私は恥ずかしさのあまり、固まって動けない。 「…ふっ」 隠すように口に手をあてた彼は、確実に笑って、屋上を後にした。 失態。 ネクタイの色からすると、3年生のようだった。 1年の自分が関わることは、もう今後一切ないだろう。 しかし、恥ずかしいところを見られてしまった。 今まで、こんな素な気持ちで、学校にいることなんてなかった。 でも、空がきれいだったから。 どこか遠くへ、いってしまえるんじゃないかって思ったから。 自分に言い訳して、もう一度空を見上げた。 キーンコーンカーンコーン 予鈴が鳴って、私は慌てて教室に戻る。 朝に続き、昼ごはんも食べ逃した。
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