焦燥感

2/12

904人が本棚に入れています
本棚に追加
/911ページ
佐伯さんを呼びにいくと、カウンターでお客さんと談笑していた。私に気づくと、ちょっと、と言って、こちらに歩いてきた。 「どうだった?彼。」 「…どうして、同じ高校の人なんですか。」 むすっとしながら私は答える。 どうしてかなぁと惚ける佐伯さん。 「どうせ、私が反対したって、佐伯さんはとるつもりなんですよね?」 眉間にしわを寄せて、見つめると、佐伯さんは、嫌だったの?と聞いた。 「いえ、いろいろ事情がありまして…いいですけど、彼と重なるのは土曜日だけですし。ただ、受験生ですよ、彼。大丈夫なんですかね。」 ああ、と佐伯さんは笑った。 「彼、受験しないらしいんだ。就職は知らないけど。」
/911ページ

最初のコメントを投稿しよう!

904人が本棚に入れています
本棚に追加