904人が本棚に入れています
本棚に追加
/911ページ
カランカラン
「こんにちは。」
佐伯さんが、笑顔で出迎えた。
「おかえり。」
一番隅のテーブルで、接客している彼がいた。
壁にかかる時計を見ると、17時20分。
「…もう、入れ替えの時間ですよね?」
声を小さくして、佐伯さんに尋ねる。佐伯さんは困ったように笑って、
「そんなに嫌なの?」
と逆に聞いてきた。
「いえ。でももうすぐ入れ替わりですよね?」
目を合わせないように、もう一度聞く。
「残念だけど、今日は慣れるために朝から夜まで入りたいって言われちゃって、承諾しちゃったんだよね。」
ごめんね、と全然悪気なさそうに手を合わせる。
最初のコメントを投稿しよう!