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昼になっても、私は珍しく教室内に居た。
踊り場にいくのには、もう寒くなり過ぎた季節と、外で元気にサッカーをしている先輩が、その理由だ。
今日は軽く自分で作ってきた弁当を広げて、なんともなしに、外を見ていた。
友達とじゃれ合って、楽しそうに笑う彼は、自分にとって新鮮だった。
そういえば、にやりとした笑い以外の彼の笑いは、見たことがなかった。
「くらもっちゃん、誰見てんの？」
突然そう話し掛けて来たのは、私の右隣の席の吉井幸だった。
「いや、べつに。」
そっけなく答えたが、吉井は諦めない。
「うそうそ、朝も誰かみてたから注意されたんでしょー？」
えー、そうなのー？と一緒に机をくっつけて、食べていた４人グループの女子たちが騒ぎ出す。
うるさい。
てか、どうでもいい。
無視することに決めて、私は黙々と弁当をつつくことにした。
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