風が吹いた

拒否反応

どのくらい、そうしていたんだろう。

ぼんやりとした思考のまま、背後に人の気配を感じたような気がして、それに続いてすぐに、自転車のキッというブレーキ音が聴こえた。

「……びっくりした」

振り向くこともせず、うずくまる私に、聞き覚えのある声が響く。

自転車のライトで、照らされているらしく、背後が眩しい気がする。

「もしかして、、、千晶？」

なんで、どうして、こんな所に。

彼がいるんだろう。

椎名先輩はどうしていつも私を見つけるんだろう。

それとも、私が椎名先輩を見つけてしまうんだろうか。