月明かりの下の真実

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「はは…」 乾いた笑いは相手からか、いや、自分からか。 「先輩は…ずるいなぁ、ほんとに…」 私の居場所も、わずかに求めていたものも、全部先輩のものにしてしまって。 これが、この気持ちが、どんなに自分勝手な言い分で、どうしようもない自分を露呈しているだけだとしても。 それでも― 「こんなにピンポイントで、私の唯一のものに、入り込んでこないでよ…」 言わずにいられない。 先輩と屋上で会ってから、あの日から、私の中の何かが、いつもと違う。 それが何かがわからなくて、行く当てのない思いが、自分を乱す。 なのに― 「先輩は、私の生活に入ってくる」 何一つ、自分のものなんて、私にはないってことを、嫌でも理解させられる。 彼はただ、生活しているだけ、なのに。
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