ハジメテノトモダチ

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私の家には、花瓶という洒落たものはない。 ひとつしかないグラスには、白い小さな花が挿してある。大きさが合っていないので、違和感があるのは否めない。 それはテーブルの上に乗っかっていて、私の視線を釘付けにしている。 あれは夢だったのかと、朝起きて見たら、現実だと突きつけるものがあって。 さっきから私は首をテーブルの上にのっけて、記憶を呼び戻していた。 散々泣いて、彼と友達になるということを承諾した後。 椎名先輩は家まで送ると言い出して、私が断っても聞かなかった。 押し問答の末、結局二人で自転車に乗って、私はアパートまで送ってもらった。 家に帰ると、ぐしゃぐしゃの顔を洗うためと冷えた身体を温めるために真っ先にお風呂に入って、あっという間に眠ってしまった。 そして、今に至る。 とにかく、お腹が空いた。 佐伯さんに詰め込まれた昨晩の夕飯をいただくことにしよう。
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