君が欲しい

10/18
前へ
/911ページ
次へ
あの頃。 寂しいという感情は、とっくに捨てきったと思っていた。 だけど、貴方に出会ってから、私の調子は狂わされてばかりで。 むくむくと沸き起こる正体不明の感情に、惑わされて、苛々して。 そして気づかされて。 泣いていい場所が、私に無かったこと。 笑うことすら、忘れていたこと。 そんな自分を許してあげられないこと。 何よりも。 貴方を目で追ってしまう自分を否定していたこと。 好きという感情は、自分の中で、あってはいけないものだったから。
/911ページ

最初のコメントを投稿しよう!

903人が本棚に入れています
本棚に追加