君が欲しい

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「孝一…」 握る手にぎゅっと力を籠め直す。 「私、貴方の傍にいたい。」 念じるように目を瞑ると、また一筋、大粒の涙が零れた。 微かに。 停止していた部屋の空気が、揺らいだ気がした。 自分のものではない感触に、思わず目を見開く。 ほんの少し、握り返された、手。
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