903人が本棚に入れています
本棚に追加
________________________
「真紀子様…、医者を呼んできましょうか?」
沢木が、ドアの前で、花瓶を手に持って立ち止まったままの女性に尋ねる。
「…いいえ。暫く、、、そっとしておいてあげて…」
にっこりと優しく、少し寂しげに彼女は微笑むと、
音を立てないように、少し開いていたドアを、静かに閉めた。
春の訪れが、
確かに、
近づいていた。
最初のコメントを投稿しよう!