2nd STAGE……暴走、天王寺学園

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そんな雀宮様の背後から、どこにいたのか音もなく黒ずくめのスーツを来た人が首にナイフを突き付けていた。 雀宮様だけじゃない、学園長にもお姉ちゃんにも。 「なんのつもりでしょうか、これは?」 いきなり現れた刺客?に動揺するそぶりを見せずに、学園長は聞いた。 「一応人質のような物でしょうか……このクラスの誰かに邪魔されても困りますのでね 誰か1人でも余計な真似した時のね」 鵜園様のガード!? それに人質の人選が上手い。 学園長もお姉ちゃんも私達にとっては大事な人達なのに。 「ちょっと待って下さい、それは余りにも傲慢過ぎます」 「そうです!! そんな勝手な婚約なんてありえない!!」 だけど勇敢にも異議を唱えたのは── 「竜夜さん!!」 「翔さん!!」 この2人だった。 竜也さんの名前を加奈ちゃん、翔さんと言ったのは桂木さん。 「ほう、なかなか度胸があるな……だがよく見たほうがいい」 「きゃっ!?」 短い悲鳴が聞こえた。 悲鳴の主は── 「扇ぃ!!」 学園長達と同じようにナイフを突き付けられた副会長だった……。 「ごっ、ごめんなさい。 魅奈ちゃん、加奈ちゃん、楸原先生……っ」 「なっ、貴方達は……それでも貴族ですか!?」 副会長を人質に取られた事にその場から動けなくなった私達クラス。 竜夜さんが抗議の声を掲げるも── 「貴族とは、人の上に立つ地位です。 故に人を抑える力もまた必要なのだ……」 「ちっ、腐ってやがりますねぃ……どこの世界も貴族ってのは」 貴族とは何かを言う鶴谷様にイシュカネルさんが毒を吐く。 しかし、七天皇様方は全てを無視して事を進めた。 「では太助、どいつがいい……好きに選べ」 「え~ちょっと不本意だけど父上の言う事に間違いはないんだな……フヒヒッ」 「よかったじゃねぇか」 「キャハッ、あんたには勿体ないんじゃない!!」 「はん、下らねぇ……早く選べよ」 「イシュカネルに同意だな。 やはりあんたらは腐ってる……っ!!」 鶴谷様以外の御子息達もちょっと乗り気だ。 どうしよう、パパ、ママ!? 「それじゃあ、双子の姉の方にするんだな……実はちょっとタイプなのだ」 「なっ…!?」 そう言って鷺釜 太助様は加奈ちゃんを選んだ。
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